プラド盗難の捜査に進展!パキスタン人が絡む理由が判明

プラドを盗んだ窃盗グループ逮捕?

先日、某県警(私の済む愛知県警ではなく関西地方)から、盗まれたプラドの車検証が見つかったとの電話がありました。

私のプラド盗難事件の経緯や盗難対策は以下にびっちり書いてあるので参考にして下さい。

プラド150中期

愛車のプラドが盗難された事件から学んだ事と事件の一部始終

2017年12月27日
プラド150後期のインパネ

プラドの盗難対策~実際に盗まれた私が最強対策を紹介します

2018年2月2日

私のようにプラドを盗まれて悔しい思いをされた方のコメントも記載しています。

ちなみに、まだ私の愛車を盗んだ窃盗団が捕まったとの情報は来ていません。クソっ

盗まれたプラドの件で警察から電話が来た理由と盗難車の末路

今回の事の経緯はこうです。

関西でレクサス・ランクルを中心に100台以上盗んでいた日本人グループを検挙
 ↓
関係先を捜査したら盗難届が出ていた大量の車検証を発見
 ↓
その中に私のプラドの車検証が含まれていた

車検証が見つかったという連絡をするには理由がありました。

プラドの抹消手続きは済んでいますが、見つかった車検証は陸運局に返納する必要があるんです。

本来であれば自分で陸運局に行く必要があるのかもしれませんが、今回は某県警がまとめて返納してくれるとの事。

それを依頼する書類にサインが必要らしく、わざわざ自宅まで来て下さいました。

そこで刑事さんから伺った話と、ネット上の情報を調べまくってプラド盗難の背景が分かったのでシェアします。

恐らく私のプラドはアフリカを元気に走っていると思います…

盗難車を買い取るパキスタン人が茨城県に存在

今回の一件の発端は、関西地方でレクサス・ランクルを中心に100台以上も盗んでいた日本人窃盗グループの逮捕です。

その関係先を捜査すると大量の車検証を発見。
調べてみるとほとんどが盗難届が出されていたそうです。

そして盗んだ車は、パキスタン人が営む茨城県の違法ヤードが買い取って輸出するとの事。

この『パキスタン』が重要なキーワードになります。

ちなみに茨城の違法ヤードが検挙済みか聞きくのを忘れましたが、恐らく検挙されているはず。

検挙前の捜査状況を民間人に教えるとは考えられませんので。

違法ヤードと盗難車は深く関わっており、私のプラドもどこかの違法ヤードで解体されていたと推測できます。

そして今回話題に登った茨城県の違法ヤードは、全国各地から盗難車を買って海外に輸出していました。

その輸出先はパキスタン最大の都市「カラチ」です。

盗難車と深く関わるヤードの補足情報

違法ヤード

過去に犯行に使用されたヤード
平成26年度版 警察白書より抜粋

◆ヤードの目的
主に車や重機などを解体して海外輸出用にコンテナ詰め作業をする施設

◆特徴
土地が安くて人目に付きにくい郊外の山間部あり、中が見えないように敷地周囲が高い鉄板の塀で囲われている

◆違法ヤードの実態
正規の届け出をして真っ当な商売をしている業者がヤードを使う場合もありますが、違法行為をしているヤードを違法ヤードと呼びます。

違法ヤードは人目を避けた場所+中の様子が見えないので、盗難車を解体するのも薬物の売買をするのも最適な場所で犯罪拠点となっています。

そうした違法ヤードを規制する為に『ヤード規制条例(参考:Wikipedia)』があり、各市町村で警察と関係機関が連携し監視していますがイタチごっこ状態なのが現状です。

◆ヤード規制条例をすると隣県に移動する窃盗団
2016年まで自動車盗の発生率が10年連続ワーストの茨城県で、ヤード規制条例が2017年4月に施行されました。

すると…
当該の茨城県での盗難件数→急減
隣の福島県南部→自動車盗難が急増

といった報道もあります。
参考サイト:自動車盗ワーストの茨城、件数急減 条例制定で福島へ移動か(日本経済新聞)

日本→パキスタン→ドバイ→アフリカの順に盗難車は流れていく

結論から言うと、パキスタンのカラチに輸出された盗難車は、ドバイの中古車市場で転売されて、最終的には近年発展が目覚ましいアフリカ諸国で販売されると推測できました。

違法ヤードで解体された盗難車はパキスタンの最大都市「カラチ」に運ばれる事までは刑事さんから聞きました。

日本→パキスタンまでのルートです。

パキスタンからその先はどうなるのか?を知る為に、ネットで色んな情報を集めて最終的に見えた答えが『パキスタン→ドバイ→アフリカ』のルートです。

パキスタンが盗難車に関わる理由

まずは刑事さんから聞いた「カラチ」の特徴を調べました。

2016年の近郊を含む都市的地域の人口は2,282万人であり、世界第7位である。また、パキスタンにおける商業・金融の中心地でもある。
カラチはパキスタン最大の都市と唯一の主要港としての地位にあり、パキスタンの歳入のかなりの部分を占めている。Wikipediaより引用

カラチはパキスタンの重要な都市であり、唯一の貿易港という事が分かりましたが、盗難車との結びつきが分からない。

そこで盗難車の密輸先として中東に対象を広げて調べてみると、パキスタンと盗難車の結び付きが分かりました。

その鍵がドバイにある世界最大の中古車マーケット「Dubai Auto Zone(DAZ)」です。

◆DAZ(旧称DUCAMZ)とは?

現在400ほどの中古車業者が拠点を構え、7万4000平方メートル(東京ドーム5.2個分)の敷地に1万台以上の中古車が展示されている巨大マーケットです。

以下がDAZの様子がわかるYou Tube動画ですが、日本車が圧倒的に多く、プラドがそこかしこに見えます。

DAZは政府が脱石油計画の一環として2000年に開設された特区の一つ。

再輸出を条件に、輸入関税再輸出関税ゼロ・法人税ゼロ・所得税ゼロ・外資100%で出店可能・利益全額を本国へ送金可能という好条件が保証されており、アフリカ大陸を中心する中古車の輸出拠点となっています。

このDAZは第三国への再輸出を条件に優遇措置が取られているので、DAZを拠点に中東やアフリカへ日本車の中古車が再輸出されていきます。

その中東・アフリカでは日本車の人気が非常に高く、ランクルやプラドといったSUVが特に人気があります。
参考サイト:JETRO|UAEにおける中古車市場の状況

ここまでで分かったのは以下の点です。

・DAZでは日本車の人気が高い
・DAZから中東・アフリカへ中古車が輸出される
・中東・アフリカではランクルやプラドの日本製SUVが人気

そして注目すべきは、DAZの中古車販売ディーラーの大半がパキスタン人という点です。

パキスタン人ディーラーがDAZで主流の理由
・パキスタンとドバイがあるアラブ首長国連邦は互いにイスラム教が国教
・パキスタンの公用語が英語
・80年代に日本に留学や研修で滞在していたパキスタン人が多い
・日本で中古車ビジネスをしていたパキスタン人も多い

参考サイト:あなたの愛車が、ある日アフリカで見つかるケースも|ダイアモンドオンライン

この事から、日本で盗難車に関わるパキスタン人は、世界最大規模の中古車マーケットであるDAZへの流通網を持っているのが分かります。

日本のランクル・プラドは中古車と言えども車両状態が良く、しかも日本で主に盗まれるのは高年式の新しいモデルなのでDAZで当たり前のように売れるのは想像に難くないですね。

また、DAZに運ばれる中古車の大半が右ハンドルの日本車である点も見逃せません。
参考サイト:日系経営コンサルタント会社 Y’s Consultancy

ドバイ(UAE)では右ハンドル車の走行は認められていませんし、繰り返しますがDAZでは第三国への再輸出を前提に税制優遇をしています。

ではDAZからどの国に輸出されるのか?
答えはアフリカ諸国です。

販売先は1人当たり国内総生産(GDP)が4万ドル(約390万円)を超える豊かなUAEではない。右ハンドル車が走る東アフリカの国々だ。
~中略~
主な顧客は東アフリカのケニアやタンザニア、ウガンダからやって来る。UAE、中古車の中継地|日経新聞より引用

ここまでで、日本でのプラド盗難・パキスタン・ドバイのDAZ・アフリカという点が線で繋がりました。

なぜ右ハンドル車がアフリカで走っているのかは後述します。

ドバイには悪い意味で腕のいい組立工場がある

盗難車を輸出する際、車体を2分割するかパーツ単位までばらして「中古パーツ」という名目でコンテナに詰めて船に載せる方法があります。

車には固有の車台番号が付いていますが、全てのパーツに付いている訳ではないので、盗難車かどうかを分かりにくくする為です。

ばらした車は密輸した国で再度組み立てられるのですが、ダイアモンドオンラインに気になる記事がありました。

かつて自動車の輸出入を手がけていたという井上晋(いのうえ・しん)さんは、ドバイ滞在中、知人に盗難車を扱う組立工場に案内された。バラバラに切断された車体がきれいに溶接され、複雑な配線も元通りに直されていたという。

「あれだけボロボロになってしまったものを、きれいにしてしまうくらいの技術を持っていると言ったら変ですけれども、ちょっと恐怖を覚えました」と、その時の心情を語る。
あなたの愛車が、ある日アフリカで見つかるケースも|ダイアモンドオンラインより引用

つまりドバイには
・バラした盗難車を元通りにする技術を持つ工場がある
・盗難中古車を捌けるだけの巨大マーケットがある

こうした理由で、盗難車の目的地はドバイとなる訳です。

中近東の中古車マーケットの中心地であるドバイには、更に右ハンドルを左ハンドルに変える業者やハイエースのシートを革張りに変える業者など、あらゆるニーズに応えられる地盤が揃っています。

アフリカで盗難された日本車が走る理由

経済成長が順調で、将来的にも成長が見込まれる東アフリカでは、中間所得層の自家用車所有率も上昇しています。
参考サイト:アフリカ経済はおおむね回復基調に 地域分析レポート – ジェトロ

しかしながら先進国ほど道路のインフラ整備が進んでいないので、舗装されていない道路も多く、必然的に頑丈で壊れない日本のSUVに人気が集まります。

そしてアフリカ諸国にはイギリスの植民地だった国も多く、右ハンドルが流通しやすいという市場環境もあります。

・経済成長に伴うマイカー所有率の上昇
・未舗装道路も多い為に頑丈な日本のSUVが人気
・イギリス植民地だった国も多く右ハンドルが流通しやすい

こうした理由があり、アフリカ諸国ではランクルやプラドの人気が非常に高いのですが、その入手経路に闇が潜んでいるんです。

少々古いですが、2010年7月30日のダイアモンドオンラインの記事が参考になります。

ドバイで組み立て直された盗難車の有力な転売先と見られているのが、いま経済成長著しいアフリカ諸国。取材班が訪れたケニアは、道路整備が進んでいないため、悪路が多く、丈夫な日本車が人気を呼び…

~中略~

空前の日本車ブームの影で、ドバイから持ち込まれた盗難車が紛れ込んでいる。
4年前には、東アフリカ一帯でインターポール(国際刑事警察機構)と地元警察が連携して車の検問を実施したところ、1000台を超える車が盗難車だとされたのだ。

その多くが、日本で盗まれドバイを経由でアフリカに運び込まれたものだった。盗難車とは知らずに買った所有者たち。その中には、かつて大臣を務めた国会議員や、ボストンマラソンで3連覇を果たした有名マラソン選手もいた。
あなたの愛車が、ある日アフリカで見つかるケースも|ダイアモンドオンラインより引用

つまり、日本で盗んだランクルやプラドはドバイのDAZを介して東アフリカに流れているのです。

最新情報:盗難ランクルを不正輸出したパキスタン人が逮捕

この記事を書いている2018年11月15日時点で、パキスタン人が盗難車に絡む容疑で逮捕されています。そんなヤツ死刑でよし!

以下のニュースサイトを参考にして下さい。
高級車盗み、不正輸出=通関後積み替え、被害17億円か-大阪府警|時事通信

ニュースサイトによって容疑者の名前が無かったり、事件の詳細を省略したりと違いがあるので、下記にまとめます。

事件の概要
パキスタン人が知人の男を通じて窃盗グループに高級車の調達を依頼
 ↓
大阪市や京都市から実行役が車を盗む
 ↓
パキスタン人が買い取って茨城県つくば市のヤードで保管
(関西からヤードまでの移送は運び屋が担当)
 ↓
海外で購入先を調整する外国人ブローカーに渡す
 ↓
格安中古車をコンテナに積んで税関を通す
(正規の中古車輸出を装う目的)
 ↓
税関通過後にコンテナ内の中古車を盗難車に積み替え
 ↓
横浜港から中東・アフリカへ不正輸出

今回の記事で解明したように「パキスタン人・保管場所(違法ヤード)・中東・アフリカ」といったキーワードがいくつも並んでいます。

また、ヤフーニュースのコメント欄に気になる書き込みもありました。

Yahooのコメント欄

まじでこういう状況、何とかしてくれ…

茨城県はヤード規制条例があるにも関わらず、このような状況らしいです。

まとめ:自動車盗難が無くならない理由と自衛の必要性

ドバイには日本の盗難車両を流通させるネットワークがあるので、海外で人気の日本車の盗難が今後も無くなることはありません。

日本人が持つ美徳である性善説は犯罪者には通用しませんので。

加えて、イモビライザーカットなど盗難を補助する装置が開発されてネットを通じて入手できてしまいます。

ちなみにこの手の闇商品は中国から広まるケースが多いです。

オランダで2017年4月10日~14日に開催された「Hack In The Box Security Conference 2017(セキュリティカンファレンス)」で、リレーアタック(※)に使う道具の実用化を中国で確認したというレポートが出されています。

※リレーアタックとは
スマートキーが出す微弱電波を遠隔で盗んで、知らない間に車の鍵のコピーを作られてしまう新しい盗難方法です。

更に日本は安全に犯罪ができる国です。
厳しい言い方をすれば犯罪者に優しい国です。

人を殺しても罪状によっては10年そこらで出所できますし、アメリカのように現場で射殺されるリスクもありません。

自動車盗で捕まったとしても、刑法235条によると窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

警察・行政・税関・自動車メーカーなどが対策をしてもイタチごっこは永遠に続くでしょう。

警察は事件化しないと動けません。

それには現行の憲法や人員不足が関係しているので劇的な改善は見込めません。

別に警察を誹謗をしたい訳ではなく、客観的事実です。
(むしろ私は警察には協力的な立場ですので)

これだけ自動車盗難が無くならない理由があるんです。

となれば、自衛するしか方法はありません。

安全がタダだったのは遠い昔の話です。

「車を盗まれても保険金でチャラ!」になるケースは少ない

刑事さんによると、愛車を盗まれたのを契機に自宅ガレージにシャッターを付けた人もいるそうです。

ガレージシャッターを後付する場合、手動式の安いものでも15万円ほど掛かります。

盗難保険である程度の金額は賄えますが、車を盗むクソ野郎のせいでこうした諸費用が発生するのでマイナスになる人が大半のはずです。

私自身もチャイルドシートの買い替え・メガネやサングラスの新規購入・盗難防止策などで20万円ほどはマイナスになりました。(※新車特約が外れていたので、更に20万円ほど損しています…クソっ)

盗まれにくい車種に乗り換える選択肢もありますが、高いお金を出して車を買うのに泥棒を基準に車選びをするのもバカバカしいですよね。

であるならば、余計なお金が発生するのは悔しいですが、犯罪者に良い思いをさせない為にも自衛措置が必要です。

特に盗難されやすい以下の車種に乗っている方は要注意です。

・レクサス(特にLS・LX・RX)
・ハイエース
・ランクル、プラド
・プリウス

最低限の自衛措置としてはハンドルロックがおすすめです。

ハンドルロックの有効性については逸話があり、私の友人が働く自動車板金屋で過去に2度の盗難未遂があったそうです。

窃盗団のお目当ては積載車。
後ろに車を載せて運ぶトラックですね。

未遂で終わった要因がハンドルロックでした。

1件はそもそもドアロックを解除できなかったマヌケなので論外。

もう1件はドアロックは解除したもののハンドルロックが解除できずに諦めた形跡があったそうです。

ハイテクなセキュリティは、よりハイテクな装置が登場したら解除されます。
しかしアナログな装置はアナログで破壊しなければ解除できません。

犯罪者に良い思いをさせない為には、日本国民の全員が愛車の盗難防止意識を高める必要がありますが現実的ではありません。

当ブログに来て頂いた防犯意識の高いあなただけは、予算の中でできる限り防犯力の高い自衛措置をして欲しいと切に願います。

有効な盗難対策については、1回盗まれた管理人がどんな対策をしたのか?を記した以下の記事も参考にして下さい。

プラド150後期のインパネ

プラドの盗難対策~実際に盗まれた私が最強対策を紹介します

2018年2月2日



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当ブログ管理人の「タカ」です。 名古屋生まれの名古屋育ちで、現在36歳。1児の新米パパをやってます。 当ブログ「ドゥーした。」は基本的に全て私の実体験ベースの記事を更新しております。 詳しい自己紹介は→こちらの<自己紹介ページ>をご覧ください。

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